はじめに
名前は一生もの。
愛着を持てる名づけのために、調査からわかること。
1.自分の名前に愛着を持てない人は、どのくらいいるのでしょうか。
3人に1人は、自分の名前に愛着がありません。
36.8%
自分の名前に愛着がない人
理由は「好みでない」「ありきたり」「古い」「読まれない」
63.2%
自分の名前に愛着がある人
理由の1位は「親が名付けたから」
78.2%
名前の由来を知っている子ども
知ったきっかけは、親との会話が71.2%
本人が名前を嫌う理由は「好みではない」「ありきたり・同名が多い」「古い名前」「正しく読まれない」でした。 名づけた親の側の後悔としては、画数、漢字の選び方、読みづらさ、変わった名前、まわりとかぶったことが挙がります(人数が公開されていない調査のため、割合は載せていません)。
調査ごとに対象と人数が違います。愛着は全国20〜69歳の1,100人、由来は小学1年〜中学3年の子と親900組、親の後悔は 7〜12歳の子を持つ母親への調査(人数は非公開)です。
2.では、名前に愛着を持てる人は、何を理由に挙げているのでしょうか。
名前を好きになる一番の理由は、画数ではなく「親が考えてくれたこと」でした。
自分の名前が好きな理由
- 1位考えてつけてもらった50.7%
- 2位呼ばれ続けて愛着がある44.1%
- 3位可愛い・格好いい13.2%
- 4位変わった名前12.8%
アイシェア 2009年。20〜40代、好きと答えた人の複数回答。 出典
画数や珍しさよりも、「考えてつけてもらった」「由来がある」が上に来ます。名前そのものより、決めるまでの過程が、あとの愛着につながっています。
3.では、名前を決めるとき、どういったことを考えるとよいでしょうか。
調査から、考えるとよいことを7つに整理しました。
後悔の理由と、名前が嫌われる理由を避けるための7つです。どれを重く見るかは、家庭ごとに違います。
①画数を「調べて決めた」と言える
名づけを後悔した親の理由として、いちばん多く挙がるのが「字画・画数がよくなかった」です。調べずに決めて、あとで気になる、という後悔です。
②由来を一言で語れる
自分の名前に愛着がある人の理由の1位は「親が考えてつけてくれた」、2位は「由来・エピソードがある」でした。
③初めて見た人が読める
名づけで読みやすさを重要とした人は 92.6%。名前が嫌な理由にも「正しく読まれない」が挙がります。
④響き・呼びやすさ
子ども本人が名前で気に入っている点の1位は「響きが良い」(27.3%)でした。
⑤ありきたりすぎず、読めないほど珍しくない
名前が嫌な理由に「ありきたり・同名が多い」があり、好きな理由に「珍しい・かぶらない」があります。どちらに寄せるかは家庭で違います。
⑥書きやすく、説明しやすい
一生で何千回も書き、電話や窓口で説明する名前です。画数の多い苗字に画数の多い名前を重ねると負担になります。
⑦年を重ねても合う
名前が嫌な理由に「古い名前」が挙がります。流行は生まれ年を表してしまうことがあります。
画数の数え方や由来は、調査レポート にくわしくまとめています。
4.候補がいくつか残って、決めきれないときはどうすればよいでしょうか。
NASA の技術選定や英国政府の政策評価でも使われる、多基準の比べ方が使えます。
選べない案を先に外し、大事にする点に重みを付けて比べる方法は、英国政府の政策評価の手引き(多基準分析)、NASA の技術選定、日本の公共工事の入札(総合評価)で使われています。 米陸軍の計画手順でも、比べる基準は2〜5個に絞るのが目安です。この手順を、名づけ用に組み直しました(候補を1つに絞る)。
1. 選べない候補を先に外す
戸籍で使えない漢字、苗字と続けると別の意味になる名前は、ほかの点が良くても選べません。点数で埋め合わせず、最初に外します。
2. 最初の直感を書き留める
採点の前に「いま一番気になる名前」を記録します。あとで採点の結果と見比べるためです。
3. 大事にする順を決める
細かい点数は付けず、大事な順に並べるだけです。順位から重みを作る方法は、研究で正確さが確かめられています。
4. 候補を1つずつ見る
画数や書きやすさは、こちらで計算します。あなたが決めるのは、響きや意味の好みだけです。
5. 分かれ目を見る
差がわずかなら「ほぼ同じ」と表示します。大事にする順を入れ替えると1位が変わるかどうかも分かります。
6. ふたりで別々に採点する
相手の答えを先に見ると、意見が寄ってしまうことが知られています。別々に答えてから、評価が割れた所だけを話し合います。
ただし、点数は答えではありません
この方法には限界もあります。理由を細かく分析しすぎると、選んだあとの満足度が下がるという研究があります。公的な手引きも、点数の合計だけで決めることには注意を促しています。
そのため名前の決め手は、小数の点数を出さず、わずかな差は同じと扱い、最初の直感と結果が食い違ったときはそれをお知らせします。点数は、話し合うための材料です。決めるのはご家族です。
5.このサイトがしないこと
「この名前なら幸せになる」とは言いません。
- 画数や使える漢字を、AI の推測で答えることはしません。決まった式と、国が定めた漢字の表で計算するので、何度調べても同じ結果になります。
- 戸籍で使えない字は、候補に出しません。使うのは、常用漢字 2,136字・人名用漢字 864字と、かなだけです。
- 出生届で読みが受理されるかは保証しません。最終的には届出先の市区町村でご確認ください。
出典
- クロス・マーケティング「名前に関する調査(2025年)」全国20〜69歳 1,100人
- アイシェア 自分の名前についての意識調査(2009年・RBB TODAY の記事)20〜40代 383人
- バンダイ「子どもの名前に関する意識調査」(2018年)小1〜中3の子と親 900組
- ベビーカレンダー 名づけに関する調査(2025年)
- 小学館 HugKum「子どもの名づけで後悔していること」
- 英国政府 Multi-criteria analysis: a manual(2009年)
- NASA Systems Engineering Handbook 6.8 Decision Analysis
- 国土交通省 総合評価落札方式の運用ガイドライン
- Barron & Barrett (1996) 順位から重みを作る方法の比較
- Dawes (1979) 単純な加重の採点は直感より安定する
- Wilson ほか (1993) 理由を考えすぎると選んだあとの満足度が下がる
- Lorenz ほか (2011) 他人の答えを知ると意見の幅が狭まる
最終更新: 2026年10月28日